「インフルエンザの合併症は恐いですから、気をつけてくださいね」とはよく言われますが
どんな合併症があって、どういう症状があるのかよくわからなかったりします。
ここでしっかり整理して知っておけば、いざという時に役に立ちます。
インフルエンザの合併症とその種類、症状をきちんと確認しておきましょう。
インフルエンザの合併症にはどんな種類があるの?
一番多いのは肺炎です。
合併症の内、死亡原因の90%はこの肺炎によるものです。
次に発症すると重篤な症状になるので注意が必要なのは脳炎・脳症です。
また中耳炎・結膜炎・副鼻腔炎などの耳や目、鼻のように喉につながっている部分が
ウイルスによって炎症を起こすことからみられる合併症があります。
その他には、心筋炎、急性小脳失調症、ギランバレー症候群などがあげられます。
心筋炎というのは心臓の筋肉が炎症を起こすもので、軽症では症状が現れないこともありますが
胸痛、心不全症状、ショック、不整脈などの症状が現れます。
急性小脳失調症は小脳の炎症により、急にふらついて、うまく歩けない・立てない・座っていられないなどの症状が現われ
ときに眼球が左右に細かく震える症状をともなうこともあります。
ギランバレー症候群は、主に筋肉を動かす運動神経が障害され、四肢に力が入らなくなる病気です。
なお、インフルエンザでは、いったん治癒したと思われてから、
3~10日経ってから発症するインフルエンザ後肺炎にも気をつけなければなりません。
インフルエンザの合併症で一番多いのは肺炎
風邪やインフルエンザのウイルスは、まず喉の粘膜を破壊しながら感染していきますが
それが気管支や肺にまで広がって炎症を起こすと、肺炎になります。
乳幼児や高齢者がかかりやすいので注意が必要です。
一般的な肺炎の症状としては、胸にするどい痛みがあったり、熱 ・悪寒 ・息切れ ・せき ・全身のだるさがあり、黄色から緑色、もしくは鉄さび色の痰が出たりします。
また顔やくちびるが紫色になります。
インフルエンザの症状が出てから5~7日たっても熱が下がらなかったり、咳が悪化してきた場合は肺炎を疑います。
また、いったん治ってから、3~10日後に発症する場合もあります。
インフルエンザの合併症による肺炎のリスクが高い人は以下の通りです。
・心臓や呼吸器に慢性の病気を持っている
・糖尿病、腎臓病、免疫不全などの病気を持っている
・養護老人ホームなどの施設に入所している
・50歳以上である
重症化すると危険なのはインフルエンザ脳症
合併症としては、比較的まれなものですが、発症した場合に重症化することがあります。
主に1歳から5歳の幼児がかかることが多く、けいれん、意識障害、異常行動など神経症状が急速に進み、さらに血管が詰まったり、多くの臓器が働かなくなり、命にかかわる状態に陥ります。
けいれんも熱性けいれんの場合は時間が短いのですが、けいれんが10~15分以上続くか、短いけいれんを何度も繰り返します。
またけいれんによる硬直の状態が左右非対称になります。
意識障害の症状としては、呼んでも返事をしないとか、少しくらいの痛みには反応しないような状態です。
異常行動の例としては
・両親のことがわからない。
・アニメのキャラクターや動物などが見えるという。
・意味不明なことを言ったり、ろれつがまわらなかったりする。
・急に怒り出したり、泣き出したりする。
・何かに怯えたり、怖がったりする。
以上のような症状が現れた場合は、すぐに病院に連れて行きましょう。
まとめ
インフルエンザも症状が強い病気ですが、合併症のリスクが高い人は、肺炎の症状に気をつけましょう。
長引く熱や咳の悪化、色のついた痰などを放置しないで、早めに受診することが大事です。
予防といえばインフルエンザにかからないことですので
手洗い・うがいを徹底して、しっかり休養を取りながら
気をつけてお過ごしください。
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